ゆみモン

もう頬づえはつかないのゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

もう頬づえはつかない(1979年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

懐かしかった。
公開当時、大学生だった私は、この映画を観て桃井かおりに憧れた。
髪型やファッションを真似たり、タバコを吸ったり…。しかし、田舎の女子大生には何のドラマも起きなかったが(笑)。
そして、東陽一監督をはじめとするATG映画も好きになった。

桃井かおり演じる女子大学まり子の、自立への物語。
年上の全共闘崩れ?の怪しげなルポライター・恒雄(森本レオ)を忘れられないまり子。利用されていると気付いていても、やっぱり好きなのだ。
奥田英二演じる橋本くんは、優しいけど頼りなく、正直だけど自分勝手…。でも、まり子を好きな気持ちに嘘はないのだろう。
好きなのは恒雄なのに、ズルズルと橋本くんとの関係を続けてしまうまり子。

まり子が中絶手術を終えて帰宅して、冷蔵庫の中の煮干し?とセロリを貪り食うシーンは、当時やけに印象的だった。

30万円という金をせびられ、子どもを堕ろしてくれと言われ、まり子は初めて恒雄に見切りをつける決心がついたのだろう。
寂しがりやのまり子が、恒雄の代わりに橋本くんによりかからずに旅立っていくのが良かった。

桃井かおりが、最初から最後まで魅力的にまり子を演じていた。
そして、桃井かおりはこの頃からずーっと桃井かおりだ。