【奴隷の怒り】
なんだか戦前のジョン・フォードの法廷劇みたいな作りで、オールド・スクールな作品と思う。スピルバーグ作品は『カラーパープル』とか『太陽の帝国』は正直つまらなかったが、これはかなり堂に入った映画だった。🤔
主演のマシュー・マコノヒーよりも助演のアンソニー・ホプキンスの方が印象に残る。実際にあった黒人奴隷問題をテーマにした作品で、２０世紀初頭のアメリカ史の再現が素晴らしい。スピルバーグは黒人に対して寛容なのね。
かつてジョン・フォード監督の西部劇で『バファロー大隊』という罪を犯した黒人兵士が裁判にかけられる映画があったがあの作品にも似ている。徹底的に白人目線でありながら黒人種に同情するという意味に於いても。別に偽善的だとは思わない。
まあ、スパイク・リーみたいな監督からしたら大きなお世話なんだろうが…。現代社会が行き詰まると本作が邪道に感じられる点が少し惜しい気もする。その時の「価値観」なんてコロコロ変わるものだな〜、と痛感する。
果たして黒人目線がいいのか、白人目線がいいのか若干彷徨っている印象の法廷劇なのだが、ヤヌス・カミンスキーによる撮影も美しく重厚に作られた歴史再現映画の秀作だと思う。なんだかんだで虐げられているのは毎回、黒人。😭
