akihiko810

HANA-BIのakihiko810のレビュー・感想・評価

HANA-BI(1997年製作の映画)
4.3
十年ぶりの再視聴。
北野武監督。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞。98年度キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位。

ガンで余命が少ない妻を見舞っていた刑事の西(北野武)。西の代わりに張り込んでいた同僚の堀部(大杉漣)は犯人に撃たれ、半身不随になり、車イスの生活になってしまう。刑事を退職した西はヤクザから金を借り、妻に不自由ない生活を送らせようとするが、返済が滞っていく。やがて銀行強盗を強行して得た金で借金を解消した西は、妻を連れて最後の旅に出る。

「ソナチネ」と並んで北野映画の代表作を、十年ほどぶりの鑑賞。
いやーやはり素晴らしい作品である。
キタノブルーに象徴される、青い海と映像美、物語全編に通底する「死」の匂い、容赦ない暴力、そして親しき者への愛。
そして今回鑑賞してあらためて思ったのが、劇伴の素晴らしさ。かの久石譲の音楽だそうだが、北野映画の静かな画面とよくあう劇伴だ。

関連は特にないのだが、アルフォンソ・キュアロン監督のアカデミー外国語賞作品「ROMA/ローマ」を思い出した。どちらも「海」の場面が印象的で、愛をテーマにした作品ということしか共通項はないのだが。

北野武には本当に「この頃の北野映画」を撮ってもらいたいのだが…。作風が変わったのはやはり「飽きた」からなのだろうね。同じことやっててもしょうがないし。
まあ、新作を撮ってくれただけで感謝しようか。それほど期待はしてないのだが…
akihiko810

akihiko810