このレビューはネタバレを含みます
詩や絵画や写真を鑑賞するような感覚と聞いていたので、まさにそんな感じでした。
音楽も音声もひそひそ声も。
フランコが女王蜂で、国民が蜂の巣の中で暮らしているかのように。
それがまさに映画のタイトルなのかと。
現在の太陽の国スペインというイメージとは異なり、内戦後の灰色の世界が広がっていました。
失望しきった父親、過去に縋るような母親、フランコ政権に慣れたようにも思える死を恐れないような姉。そしてその妹のアナ。アナの目はいつも強い意思が感じられる。
アナの心の中の「精霊」がどんどん大きくなっていく。現実と幻想が入り混じる。
姉に質問ばかりしていたけれど、精霊を信じることで、自分の頭で考え、答えを出し、自分で兵士の元へいくアナ。
最後の、私はアナ。という言葉。
誰でもなく私は私。勇気を持って生きる、そんな気持ち、強さをを感じました。
アナはその時代この映画を見たスペイン人の生きる希望になったのでは。
なんとなくですが、こんな感じを受けました。