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ミツバチのささやきのNnのレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.3
"画力(えぢから)"がすごい……
光と影、構図、カットの移り変わりがそうきたかとなったり、どうやってこの役者の表情を引き出しているのか⁉︎と引き込まれたり、映すものと映さないものの取捨選択に唸らされる。
劇場の音響で囁き声を聴くのとそうでないのとで印象がとても変わりそうな映画だ……

映画にとってセリフも確かに大事だが、言葉で説明し切ってしまうのは正直映像である意味がないというか、小説でもできるじゃんとたまに思ってしまうのだけど、音と表情という、まさに映画ですべき表現はこれなのか、と私は思ってしまった。

直近にアッバス・キアロスタミを観ていて、子どもの純粋無垢な狂気というか、性善説的な無謀さに触れていた中での、ビクトル・エリセだったので、その儚さ・美しさ・危うさ・恐ろしさを、私の中で堪能する準備が整っていた状況で観れたのはありがたい。

精霊など三位の概念は芯から日本人がわかるのは難しいかもしれないけど、私はなかなかお米のご飯粒を一つでも残すことにかなり抵抗がある。それはそういう教えを自我を持つか持たないかくらいの頃にされたから。
そのような中で、あのような経験をしてしまったら、大人になったときにどこまで現実だったと咀嚼できるのだろうか?
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