ダイゴロウ

彼女が消えた浜辺のダイゴロウのレビュー・感想・評価

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)
4.1
アスガー・ファルハディ監督のイラン映画。

イランの中流階級の3夫婦と子供たちは、離婚したばかりの友人アーマドと、娘の幼稚園の先生エリを呼んで海辺でのバカンスを楽しむ。
当初からの目論見もあり、みんなでエリとアーマドをくっつけようと余計なお世話とも言えるノリでからかい、帰る意思のある彼女を半ば強引に引き止めてしまう。そんなとき、彼女が急に消えてしまって…。

果たして彼女は「①子供を助けるために溺れてしまったのか②なにも言わずに帰ってしまったのか」判断のつかない皆は辺りを捜索し、責任の所在を押し付けあい、徐々に仲違いしていく…。

「会話劇」といって差し支えのないボリュームのある議論がメインの作品で、徐々に驚きの事実が判明してくる点も憎い作品。
お国柄なのか、息をするように嘘をつき、追い詰められていくのが、どうも腹立たしく、どこか面白い。
「会話劇」系の映画が好きならば、是非ともお勧めしたい傑作。