SHIN

嵐を呼ぶ男のSHINのレビュー・感想・評価

嵐を呼ぶ男(1957年製作の映画)
3.6
この前観た「狼の挽歌」と同じく、昔の現代劇。やはり当時の文化が垣間見えてエモい。オープニングの銀座の映像で「100円ランチ」ののぼりが個人的にツボだった。

どこでもタバコ、暴力満載で決して「古き良き時代」なんかではないんだろうけど、戦後の焼け野原から復興したた直後の時代ならではの、勢いや力強さを感じる。

石原裕次郎作品はいくつか観ているが、初めて観るまでは晩年の「太陽に吠えろ」の姿しか知らず、何でこの人がそんなに人気なのだろう?というのが率直な印象だった。ただ、何作が観ていくうちに、彼から滲み出るエネルギーと魅力がわかるようになった。これは高倉健も同様。

ストーリーについては、個人的には良かったと思う。自分に正直に生きる正一は素直な反面、衝動的であり、そのため生きづらさを抱えているが、大切な弟を守るために自分を犠牲にするような侠気もある。正一の魅力と、昔の文化を堪能するのがこの作品の正しい楽しみ方だろう。
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