こたつむり

ウォリアーズのこたつむりのレビュー・感想・評価

ウォリアーズ(1979年製作の映画)
3.6
♪ 恋しているのさ この夜に恋してるのさ
  やがて海が見える さみしがり屋達の伝説さ
  One Night Carnival fun fun

魔都ニューヨークッ!
この街を実効支配するのは政治家でもマフィアでもないッ!「組」だッ!「組」こそ力の持ち主であり、唯一の正義なのだッ!今こそ、それを住人たちに示すときだッ!

と言ったかどうかは知りませんが。
その「組」が集まる集会で、頂点に立つ実力者を殺した…そんな疑いを掛けられた「ウォリアーズ」。本作は「ウォリアーズ」が故郷に帰る(逃げる)までを描いた物語。

基本的に少年漫画ですね。
「組」は外見で判断できるのですが、例えば主人公である「ウォリアーズ」は上半身裸に革ベスト。背中に「ウォリアーズ」と刻まれています。

また、他の「組」は。
全員、女性とか。
全員、オーバーオールとか。
全員、帽子をかぶっているとか。
全員、KISSのようなメイクを施してバットを武器に持っているとか。分かりやすいほどに差別化されているのです。

しかも、そんな「組」が次々と襲ってくる…途中で「○○は失敗しました」なんて報告が入る…更には「次に期待する」なんて台詞もある…って完全にジャンプ的な展開じゃあないですか。

某先生を彷彿させますよねえ。
某漫画の世界大会編や、某漫画の夜叉編、あるいは未完として途切れた某漫画(21世紀になって復活したそうですが)っぽさがプンプンと漂ってきます。

だから、嫌いになれないんですよ。
確かに展開は単調で、バトルというよりも逃走劇が際立つし、何よりも「ウォリアーズ」の面々が魅力的ではないので共感する部分は少ないんですけども。

少年漫画的なノリが心地良いんです。
それに臨時リーダーとなる主人公からは“美学”を感じました。やっぱり、男として生まれたからには“美学”が大切。某先生の漫画も“美学”に溢れていましたよね。

まあ、そんなわけで。
映画としてはB級でもジャンプ的展開ならば王道。残念ながら“必殺技”ブームの前なので、劇中では叫びませんが、観客が代わりに叫べば吉。「テリオスッ!」てね。
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