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ワイルド・アパッチの一人旅のレビュー・感想・評価

ワイルド・アパッチ(1972年製作の映画)
4.0
ロバート・アルドリッチ監督作。

アパッチ族による実在の襲撃事件を基にしたアラン・シャープのオリジナル脚本を名匠ロバート・アルドリッチ監督が映像化した西部劇で、名優バート・ランカスターがアパッチ討伐に挑む男を力演します。

白人への復讐のため、インディアン保留地から仲間を引き連れ脱走したアパッチ族の戦士:ウルザナのゆくえを追う老練の男:マッキントッシュら追撃隊の戦いを描いたウエスタンで、無実の白人たちを殺戮しながら移動を続けるアパッチ族を執念で追跡する主人公一行の姿を描きます。

本作で描かれるアパッチ族は野蛮&好戦的であり、一般人の白人農夫やその妻たちを拷問・強姦・殺害・死体損壊しながら荒野を移動し続けます。彼らアパッチ族を追跡するのは、実戦経験に乏しいデ・ビュイン少尉率いる陸軍で、ランカスターは彼の補佐役として追跡に同行します。行く先々で残虐な殺戮行為を繰り返すアパッチ族と彼らの討伐に挑む追跡隊との追走劇&攻防のゆくえを双方の心理的駆け引きを軸に描き出した骨太な西部劇で、アパッチ族と白人との相互理解の可能性を完全に否定した冷徹な描き方は『小さな巨人』(1970)等の平和路線の(生ぬるい)西部劇とは一線を画し、白人と原住民との血で血を洗う凄惨な歴史の真実に目を向けています。
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