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K-19のkojikojiのレビュー・感想・評価

K-19(2002年製作の映画)
3.5
No.1670 2002年アメリカ🇺🇸映画
監督はキャサリン・ピグロー
「The windowmaker」という題名になっている。
意図しない死をもたらす機械(特に武器や兵器)を揶揄した言葉という意味だそうだ。

 冷戦下の61年の「実話」、に基づく話。偵察任務を命令されたソ連の原子力潜水艦K-19が北海グリーンランド付近で放射能漏洩事故が起こした話を元に制作されている。
ソ連の話をアメリカ側での制作。主演はハリソン・フォードとリーアム・ニーソン。この共演はおそらく当時の話題だったに違いない。とこらが蓋を開けてみると、バリバリのアメリカ人のハリソンフォードがロシア人を演じるのは、さすがに違和感がある。これは私には最後まで尾を引いた。その点、なんだか不思議にリーアム・ニーソンはそれらしかった。
 元々K-19の艦長はリーアム・ニーソンだったが、彼は出航直前に解任され、新たに艦長になったハリソン・フォードの補佐役、つまり副艦長にされるのだ。
 部下から慕われる元艦長の副艦長と強引な新艦長の対立はありふれたドラマの基本パターンだ。それなりに安心して見れるストーリーだと高をくくっていたのだが、それがあと一つ徹底されていないため、そんなつもりで観ていた私にはそれがたたって、二人の人間性がよく理解できなかった。そのため気持ちよく観れなかった。
 原子力潜水艦と単純に言葉では使っていたが、当たり前のことなのだが、動力は原子力、この当時その制御もまともにできない、大国とは名ばかりのソ連が所有していたいという事実、その杜撰さに驚く。この同時、世界がいかに危機的状況だったのか考えさせられるし、この状況が全世界に散らばってしまったのが今の世界の状況なのだと考えざるをえない。
 ソ連という国がどんな国だったのか、アメリカ側の推測で描いているだけに、辛辣な感じがした。それもあと一つすっきりしない理由なのかもしれない。
 単なるエンターテインメントということで観れば、まあまあだが、史実を元に描いた映画という付録付きなら、少し不満が残る。この映画をドキュメンタリータッチでロシアが描くのであればそれは面白い気がする。
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