ハンポコナヨツナ

上意討ち 拝領妻始末のハンポコナヨツナのレビュー・感想・評価

上意討ち 拝領妻始末(1967年製作の映画)
4.0
小林正樹監督作品。

主演は三船敏郎。
少し前に観た「切腹」の時のような緊張感はなかったですが、こちらもかなり良い作品でした。
奇妙な縁で結ばれた息子夫婦の愛を垣間見て、それまでの自分の養子として我慢に我慢を重ねて20年余り生きてきた不甲斐ない自分を、大奥を追われて当家の嫁となった〝いち〟に自分の人生を重ねて、あまりにも理不尽な藩主の命令に背き、命を懸けて上意に背く…現代のサラリーマンにも当てはめられるような重厚なストーリーでした。
自分も若い頃に当時勤めていた会社の社長の言いつけがどうしても納得いかず、その場で啖呵を切って会社を辞めてしまった過去をもっているので、上意に背くシーンにはいちいちグッときてしまいました(笑)
ラストの仲代達矢との殺陣のシーンは結構デフォルメが入ってしまっていて少し物足りない感じでしたが、そこに至るまでの過程や役者の演技がとにかく素晴らしかったです。

60年代の作品ですが、古さを感じさせない普遍的な魅力を持った作品ですね。
オススメ!