ゴン吉

薄桜記のゴン吉のレビュー・感想・評価

薄桜記(1959年製作の映画)
4.0
剣士の友情と悲恋を描いた時代劇。 
市川雷蔵が主演、勝新太郎が共演、真城千都世がヒロインを演じる。
原作は五味康祐の産経新聞連載小説。 

堀部安兵衛(勝新太郎)はイケメンで武芸も達者なことから様々なところから仕官の話がきていた。中でも上杉家には美しい娘・千春(真城千都世)がいたことから内心では上杉家に仕官しようと一旦は決意したものの、千春は旗本の丹下典膳(市川雷蔵)との祝言が近いことを知り、播州赤穂浅野家に仕えることになる....  

播州赤穂浪士のアナザーストーリーです。
丹下典膳と堀部安兵衛の友情や、上杉家家臣の妹・千春との悲恋が描かれている。
特に典膳と千春の相思相愛と武家ならでは厳しも切ない現実が交差するなど、二人の繊細な心情が綴られています。
一方で、安兵衛が仕官先を決めるにあたり美人の娘・千春がいるところを選んだり、時代劇ならではの若い娘たちによるイケメン剣士の追っかけや、生類憐みの令により身分の高い武士たちが野良犬には遠慮するなどユーモアもたっぷりです。
またイケメンの典膳が斬られて右腕がぶっ飛ぶグロイシーンや、クライマックスは片腕片脚の瀕死の状態で雪の中で大立回りなどを魅せてくれます。
映像技術面では走るシーンの分割映像などが楽しめる。
ラストは切なくも美しい武士の悲恋と赤穂浪士による吉良家討ち入りで締め、哀しい余韻が残ります。 

2023.8 BS12で鑑賞
ゴン吉

ゴン吉