人生ベスト
結局親の七光りから解放されず、「菊」の紋章を背負って生きていく男の覚悟が浮き彫りとなるラストカットで毎度号泣
積み重ねられてきた厳格なワンシーンワンカットが最も顕著となるはずのクライマックスに突如神がかった切り返しが生じ、そこに映し出されるのは狭隘な男社会を遠くから支える力強い「妻」の顔だ
歌舞伎ならびに舞台上の生々しい情動をフィルムへ刻みつける手段は紅葉狩(1899年)時点では発見されず、遂に40年後のこの瞬間に生まれた
溝口からシュミット、カサヴェテスへ統合されていく光の解体というもう一つの映画史