Aix

ピストルオペラのAixのレビュー・感想・評価

ピストルオペラ(2001年製作の映画)
3.6
クエンティンタランティーノやニコラスウィンディングレフンにも影響を与えた鈴木清順の“殺しの烙印”の半続編的な作品。拳銃を愛する女殺し屋の話。

荒ぶる清順美学。スタイリッシュでどこかゴダールのアルファヴィルを彷彿とさせる“殺しの烙印”とは違って、今作は大正浪漫三部作的な雰囲気が結構ありました。演出、撮影、照明、衣装、セットは相変わらず素晴らしかったし、ストーリーも“殺しの烙印”から受け継いだ流れが面白かったです。若干中盤タレましたが、それでも終盤の派手な展開は鈴木清順らしくて好きでした。そういえば今作の演出は新房昭之の物語シリーズっぽかったです。キャラクターと背景がストーリーとは大して関係のないまま縦横無尽に動き回る様は、物語シリーズとか、鈴木清順から根強い影響を少女革命ウテナの世界観にかなり近いような気がしました。脚本家が伊藤和典だったので、そのおかげでアニメ的な香りがしたのかもしれません。

初めて鈴木清順の作品を見る人には全くオススメ出来ませんが、反面、大正浪漫三部作が好きな人には強くオススメ出来る作品です。あの三部作はチェックしている人が少ないけど、邦画史上屈指の美しさを誇る作品たちだと思ってます。
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