Aixさんの映画レビュー・感想・評価

Aix

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Sewing Love(2023年製作の映画)

3.7

多摩美術大学の中学人留学生が作った短編アニメ。胸に穴の開いた男がある女と出会う話。

明らかに日本の美大生が持ち合わせていないハイセンスさ。今作のサイケデリックな作画はアメリカのカートゥーンや湯浅政明
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肉にまつわる日常の話(2023年製作の映画)

3.5

日本産の短編アニメ。幼少期の頃に肉が食べられなくなった女の話。

自分の母が今作の監督よりも肉(魚も)が食べられなくて、そういう人を見て育って来たから、まあこの監督の気持ちも分からないことはなかったで
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ワン・フロム・ザ・ハート(1982年製作の映画)

3.8

フランシスフォードコッポラが監督した今秋公開されるジョーカーフォリアドゥの元ネタ映画。ラスベガスで同棲していたカップルが喧嘩し別の異性と出会う話。

巨大なセットとド派手な照明とやかましいミュージカル
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来世 ユニコーンの首筋後ろのホクロになりたい(2023年製作の映画)

3.5

東京藝術大学の学生が作った短編アニメ。好きなアイドルの解散ライブに向かっている最中エレベーターに閉じ込められる話。

邦画あるあるのモノローグや臭い台詞回しで、ちょっとだけ面白いアニメーション表現が無
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ParkingArea(2022年製作の映画)

3.7

多摩美術大学の助受を務めていた増山透のCGアニメ。人のいないパーキングエリアが様々な世界に繋がっている話。

デフォルメされた幻想的な世界観をアニメーションでよく描けている作品でした。今作は取り立てて
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陳腐な男(2018年製作の映画)

3.5

タイムマシンやジョディなどで知られる袴田くるみの短編アニメ。子供を産めない女が作ったロボットの話。

アニメーションが想像してたよりも良く、所々安っぽいものの、この監督独特のもはや性癖とも言えるロボッ
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欲望(1966年製作の映画)

3.6

カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したミケランジェロアントニオーニの作品。人気カメラマンが撮った写真に死体が写っている話。

死体も、テニスボールも、妻や子供も、壊れたギターの価値も、見方によっては
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虹色の花畑(2015年製作の映画)

3.4

日本大学芸術学部の学生が作ったストップモーションアニメ。虹色の花畑を作ろうとしている男の話。

ちょっと変わった芸大生が変わったアニメを作ろうとしたものの、予算と技量とスケジュールが足りなくて中途半端
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狼の血族(1984年製作の映画)

3.6

インタビューウィズヴァンパイアやクライングゲームなどで知られるニールジョーダンのファンタジー映画。夢見る少女と狼の話。

赤ずきんの皮を被ったキャットピープル作品でした。もちろん今作の表面上のモチーフ
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フェイス・トゥ・パンティー・レイシオ(2011年製作の映画)

3.2

アメリカの写真家であり実験映画監督としても知られるリチャードカーンの短編映画。女性の下着をあらゆる角度から撮る話。

特別リチャードカーンのファンってわけじゃないけど、最近彼の作品を見ていると、日活ロ
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遠近法の箱・博士のさがしもの(1990年製作の映画)

3.4

年を取った鰐やカフカ 田舎医者や幾多の北などで知られる山村浩二のコラージュアニメ。探し物をしている博士の話。

今作の世界観は2000年代以降の山村浩二作品と比較するとかなり教育番組寄りで、カロとピヨ
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.4

8人の女たちやSummer of 85などで知られるフランソワオゾンの作品。有名映画プロデューサーが殺され、新人女優が犯人として疑われる話。

今年入って2本目のフランソワオゾンであり、3本目のイザベ
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煩頭(2010年製作の映画)

3.0

トゥルボクやJURIなどで知られる多田昌平の作品。彷徨う謎の鉄球の話。

実験映画とショートコントの中間のような作品でした。カラグレで映像の色をいじり、鉄球のCGを浮かせないようにしていたところには好
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アトミック・ウォー 大腸篇(2022年製作の映画)

3.0

埼玉大学怪獣研究会(?)が作ったストップモーションアニメ。人類が絶滅した後の大腸菌の話。

まさにはたらく細胞(適当)。
内容云々よりも大学生の怪獣オタクたちが今作を作ったこと自体が青春感満載で面白か
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

グランドブダペストホテルやフレンチディスパッチなどで知られるウェスアンダーソンの作品。核実験場の近くの町アステロイドシティの話。

ウェスアンダーソン史上最も悪い意味でごちゃごちゃしている作品でした。
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バビロン(2021年製作の映画)

3.8

セッションやララランドなどで知られるデイミアンチャゼルの作品。サイレントからトーキーへと移り変わるハリウッドの話。

フェリーニの8 1/2や甘い生活を下品にしたような作品でした。今作は楽しくて、笑え
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ホドロフスキーのサイコマジック(2019年製作の映画)

3.6

ホーリーマウンテンやエルトポなどで知られるアレハンドロホドロフスキーのドキュメンタリー映画。ホドロフスキーが長年利用している心理療法の話。

ホドロフスキー自身も映画も大好きだし、彼のぶっ飛んだ演出に
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.6

1917や007スカイフォールなどで知られるサムメンデスの作品。海辺町の映画館に黒人の青年が働きに来る話。

ロジャーディーキンスの撮影や照明と、オリヴィアコールマンの芝居で成り立っている作品でした。
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慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

3.9

キムチを売る女や柳川などで知られるチャンリュルの代表作。亡くなった先輩との思い出の地でもある“慶州”に旅をする話。

今までたくさんの韓国映画を見て来たけど、その中でも今作は最も素晴らしくて最も好きな
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私の夢(2016年製作の映画)

2.5

日本産の短編ホラー映画。面接に落ちて自殺した就活生が面接官の前に現れる話。

ここまで来ると学生クオリティ過ぎて逆に微笑ましいまでありました。今作は中高生が文化祭か映画祭のイベントに合わせて自主制作で
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恐るべき子供たち(1950年製作の映画)

3.9

ジャンコクトーが原作、脚本、ナレーションを務め、ジャンピエールメルヴィルが監督した恋愛映画。病気がちな弟を介抱する姉の話。

同性愛×近親愛というまさに偏愛すべきジャンルを描いた破滅的な作品でした。今
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Curve(原題)(2016年製作の映画)

3.5

謎に日本中でバズったオーストリア産の短編ホラー映画。急勾配のアスファルトの上で目覚めた女の話。

塚本晋也のHAZEを劣化させたような作品でした。ビジュアルとコンセプトは面白い反面、不快さがないし、ど
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乱波(2014年製作の映画)

3.6

PFFアワード2014で準グランプリを受賞した日本産の短編アニメ。忍者たちのとある夜を描いた話。

なかなかキレのある作品でした。今作はこの手の自主制作ものの中ではアニメーションの動きがかなり良かった
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.3

Netflix制作、アインシュタインと原子力爆弾に焦点を当てたドキュメンタリー映画。

オッペンハイマーから続けて今作を鑑賞しましたが、かなり出来の悪い作品でした。とりあえず編集が酷くて、無駄に時系列
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オルフェの遺言-私に何故と問い給うな-(1960年製作の映画)

3.7

美女と野獣や詩人の血などで知られるジャンコクトーの遺作にしてオルフェの続編映画。時空を彷徨うコクトーの話。

クリストファーノーラン、デヴィッドリンチ、フェデリコフェリーニ、ビーガンあたりに影響をめち
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

アカデミー作品賞、主演男優賞、助演男優賞、撮影賞などを受賞したクリストファーノーランの作品。原爆の父ことオッペンハイマーの半生に焦点を当てた話。

素直に傑作でした。トリニティ実験のシーンはとにかく怖
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カパエマフの魔法石(2020年製作の映画)

3.6

アメリカ産の短編アニメ。ハワイのワイキキ島に存在する4つの魔法石の話。

カートゥーンサルーンのような独自の文化と美しいアニメーションが魅力の作品でした。ここ直近見た短編アニメの中では今作が一番良い作
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キングダム(1994年製作の映画)

3.8

ハウスジャックビルトやダンサーインザダークなどで知られるラースフォントリアーの伝説的なホラードラマシリーズ。架空の病院キングダムを舞台にした話。

トリアー特有のイライラコメディが炸裂した作品でした。
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楽しい学校生活(2016年製作の映画)

3.0

武蔵野美術大学の学生が作った短編アニメ。休み時間を迎えた女子生徒の話。

今作最大の特徴でもある焦点の合わないと映像とガチャガチャな音響のせいで退屈した作品でした。孤立した女子生徒の空間を技術で表現し
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.4

ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞したミシェルフランコの作品。富裕層が開いた結婚式のパーティーの最中に暴動が起きる話。

題材の割には意外と間延びする作品でした。正直今作は最初の30分くらいが一番面
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処女の泉(1960年製作の映画)

4.0

アカデミー外国語映画賞を受賞した世界一偉大な映画監督ことイングマールベルイマンの代表作の一つ。娘をレイプされた夫婦の話。

ゾッとするほどベルイマン。少年少女に対して当然の如く冷たく当たり、レイプ被害
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グレート・ウォリアーズ/欲望の剣(1985年製作の映画)

3.7

ベネデッタ、エル、ロボコップなどで知られるポールヴァーホーヴェンのハリウッドデビュー作。領主に追放された傭兵たちの話。

エロとグロに溢れた最高にヴァーホーヴェンらしい作品でした。タランティーノはパル
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あの胸にもういちど(1968年製作の映画)

3.5

アランドロンとマリアンヌフェイスフルが出演したカルトロードムービー。バイクに乗って浮気相手の男に会いに行く話。

峰不二子×イージーライダー×タクシードライバーと言ったようなかなり変わった作品でした。
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ケイコワ(2008年製作の映画)

3.7

日本産の切り絵アニメーション。親の期待に応えて良い成績を残そうとする少女の話。

良い意味で不快で怖い作品でした。今作はバイオレンスボイジャーとか闇芝居を恐ろしくしたような感じで、アニメーションの使い
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Tarantella(原題)(1989年製作の映画)

3.5

オッペンハイマー、ダークナイト、インターステラーなどで知られるクリストファーノーランの処女作。悪夢にうなされる男の話。

ノーランはタランティーノ並みの映画オタクですが、処女作の今作でもそういった要素
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Tetra Vaal(原題)(2004年製作の映画)

3.5

第9地区やエリジウムなどで知られるニールブロムカンプが監督した短編映画。チャッピーの元になった話。

本編のチャッピーよりも、どちらかと言うと第9地区のような紛争とか内戦が押し出されている作品でした。
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