フク

シン・レッド・ラインのフクのレビュー・感想・評価

シン・レッド・ライン(1998年製作の映画)
3.5
この作品の目指すところとは所謂「戦争映画」ではなかったということだろう。
時々挟まれるメッセージ性の強いポエム調の心の声が、作品のリズムを恐ろしく阻害していて退屈極まりないのだが、戦争における敵と味方ではなく、ここで強調されるのはそれらを超えた普遍的な意味での「善」と「悪」であって、また「戦争」そのものについてである。
「天国の日々」で注目を集めたテレンス・マリックが撮り上げたその後の作品でも明らかなように、彼の目指すところは最早映画であること以上の遠い地平であるようであり、それは個人的にはとても残念でならない。
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