「10ミニッツ・オールダー」は15人の監督が時間をテーマに撮影したコンピレーション・フィルム15編
人生のメビウス + イデアの森のうち8編
1*「水の寓話」ベルナルド・ベルトルッチのインドの寓話
兄弟から頼まれたことをすっかり忘れてしまった男
欲に捕らわれたと言っても強欲とはかけ離れたささやかな美しいものでした
5*「ジャン=リュック・ナンシーとの対話」クレール・ドニ
片側から見る哲学者のジャン=リュック・ナンシーが走る急行列車での会話劇
外国人という題材から哲学者がまず思い起こすのが人種の違いを取り上げる段階で個性や違いを埋没させてしまっている
受容と拒絶が根本的にあることが分かった上での既成概念から人間はどれだけ越えられるかなど論破するようでもなく女性に語る
静かだけどダイナミズムがありました
6*「啓示されし者」フォルカー・シュレンドルフ
ギリシャの哲学者アウグスティヌスの「告白」を原典にしているものの自分の知識のなさから出てくる疑問にいちいち気になって疲れたけど結末は凄く面白かったです
7*「星に魅せられて」マイケル・ラドフォード
「イル・ポスティーノ」の監督
宇宙に飛びだったダニエル・クレイグが若い
8*「時間の闇の中で」ジャン=リュック・ゴダール
人生で味わう若さや勇気の最後の瞬間を映し出す
本を捨てる悲しい光景に深く共感する「思考」の最後の瞬間
「映画」の最後の瞬間は闘うゴダール
静かに流れていた「鏡の中の鏡」*アルヴォ・ペルトはちょうど10分の楽曲らしい
画像は反戦色が強めでした
かつては明るかった空は時と共に暗くなり
今は夜空に輝く星星の間には失われたものしか見えない