爆裂BOX

オープンドアの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

オープンドア(2008年製作の映画)
3.2
満月の夜、両親から外出禁止を言い渡された女子高生アンジェリカは、願いが全て叶うと言われる謎の海賊版ラジオ番組で願いをかけるが、次々に惨劇が起こり…というストーリー。
謎の海賊ラジオ番組に一人の女子高生が願いをかけたことから起きる惨劇を描いたオカルトホラーです。都市伝説を題材にしているらしいですが、聞いたことないなぁ…
真面目な女子高生アンジェリカは、ボーイフレンドのブラッドからパーティに誘われるも、異常に厳しい両親から外出禁止を言い渡され家に閉じ込められてしまう。鬱々とした彼女は満月の夜に放送され、聴いた人間の願いが叶うという幸運を呼ぶ海賊ラジオ放送の都市伝説を思い出し、ラジオを付けた所偶然、その周波数を探り当てる。アンジェリカはラジオへ電話し、パーソナリティの「預言者」を名乗る女性に自分の本心と願いを伝えるが、その直後から彼女の身の回りで不気味な現象が発生し始める、という内容です。
「ラジオを聞いて、電話をかけた者の願いを不幸な形で叶える海賊ラジオ放送」という設定は、「ミステリーゾーン」か「世にも奇妙な物語」の一編でありそうで面白い設定ですね。
冒頭、泣きながら食卓を囲む家族を父親が次々射殺し、正気に返った父親が絶望して自殺するシーンはいい感じですが、主人公アンジェリカがラジオを聞いて願いをかけるまでの前半一時間は、以上に厳しい両親から外出禁止を言い渡されて自宅で悶々と過ごすアンジェリカの様子とパーティに参加するアンジェリカのビッチな友人とジョックス仲間の様子が描かれてホラーらしいことは起こりません。「開かれた扉」の放送内容も、男のパーソナリティがダラダラと語ってるだけで、「預言者」名乗る女性が代わって願いきくところまで大した事語られてるわけでもないですね。
主人公と彼女が思いを寄せるブラッド以外のキャラが尽くクズばかりです。いかにもビッチそうな親友は、その通りにブラッドに誘いかけたり別の女子にブラッドに無理やりキスさせてそれを携帯で撮ってアンジェリカに送りつけて引き裂こうと画策しますし、一緒に行動してるのも脳筋いじめっ子なジョックス連中ばかりです。主人公の両親も、過去一度門限破ったからずっと外出禁止言い渡して、特に母親はヒステリックに主人公に当たりますし、まるで主人公の事信用しようとしない毒親と言っていい両親。主人公が家にいるか電話かけて来た時に停電が起きて、「停電が起きた!」「何したの!」「何もしてない!「そんなわけないじゃない!」というやり取りは主人公の事信用する気ゼロで笑ってしまいました(笑)反論したりするけど、よく非行も起こさず家出もせずに主人公従うなぁ。真面目過ぎるだろ。主人公が願いかける為に行動するようにストレスかける為もあるんだろうけど、それにしてもクズしかいない。
主人公演じたキャサリン・ジョージは、美人でスタイルもいいけど、高校生にしては老けてたかなぁ。しかし、あんな海賊ラジオ放送で誰が聞いてるかもわからないのにあのテンションでよく願い叫べるな。実際、結構な人聴いてたし。
家に一人でいる主人公脅かそうと親友とクソガキ連中や、心配したブラッドが家を訪れてからは、次々クソガキ連中が悪魔に取り憑かれて殺し合いを繰り広げる「死霊のはらわた」の様な展開を見せて楽しめました。悪魔に憑かれたビジュアルが黒目のゾンビみたいになるのはもうお約束という感じですね。植木バサミで喉切るシーンもあるけど、予算の関係か大したゴア描写はないですね。しかしからかってきたいじめっ子で、ボーイフレンド助ける為とはいえ、ガソリンぶっ掛けて火をつける主人公の容赦なさも中々凄い(笑)主人公の両親が殺される所夢に見るシーンでは、ポリゴンショック起きそうなほどフラッシュが続くので要注意。
ラストで逆さまになった時計の数字が「666」になってた所からしてラジオ放送行ってたのは悪魔なんだろうけど、わざわざ改造バンに乗って町を見下ろせる場所でアンテナ拡げて海賊放送したり、結構律儀なんだな(笑)ラストも「だから結局何なんだよ?」という感じの所で終わっちゃいましたね。バンが去っていく所で終わりでも良かったんじゃないの?
前半ダラダラ何も起きませんが、後半の展開は楽しめたので、期待せずに暇潰し程度に見るのがいいんじゃないでしょうか。