好き勝手なてそ

サイコの好き勝手なてそのレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
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ずっと観たかった作品。初鑑賞。
■あらすじ
マリオンは、サムという恋人と結ばれたいと願っていたが、親の借金や元妻への扶養金でしがない生活を強いられているサムはこれに後向きで、マリオンは仕事の休憩時間に逢引をするだけの関係に悩んでいた。
マリオンは仕事に戻ると、不動産を契約した客に現金4万ドルを渡され、銀行に預けながら帰宅すると告げ会社を出る。しかしマリオンは4万ドルを持ったまま、車で街を出るのであったーーという話。

■ざっくり感想
前半と後半で展開やジャンルが突如変わるような感覚が面白かった。
今や「サイコ」の文字を見たらどんな展開になるか大体パターンが見えてしまうので後半は真相が読めてしまったが、これ公開当時見たら相当衝撃だっただろうなと思う。

wikipediaを見たら、公開当時ネタバレをしないように原作小説をなるべく買い占めたとか、映画上映時にネタバレ口外禁止を強いたりという工夫がされたというのも面白かった。

音楽の使い方がまた絶妙で、有名なキャッ キャッ キャッ!みたいなのがこんな風に始まるんだという新鮮さがあった。今の時代見てもちょっと新鮮だと思う。

白黒映画でも充分楽しめる映画だった。


ネタバレありの感想は下記に記します。


ーー以下ネタバレ含みますーー


■前半のクライムサスペンスっぽさが◎
逃亡中のマリオンが、会社や中古車屋でどんな会話がされているかつぶさに想像するシーンがあるが、マリオンの精神状態がどんどん緊張を増しているのが顔つきでわかり、
言ってるかどうかもわからないことをあれやこれや悪い方向に発想してしまうようなところは、犯罪者心理としてかなりリアルにありそうだなと思ったし、
その後ノーマンと母の会話も気になって聞いてしまうというところにも繋がっていてよかった。

■「唐突」な展開が◎
タイトルが「サイコ」だから、このままマリオンが別人格を作ってしまうのか?など読めないままいたけど、
モーテルに入ったら急に怪しいノーマン登場。ノーマンの時点で風向きが変わったのは感じたけど、お風呂場でのシーンは音楽も展開も唐突すぎて本当にびっくりした。
wikipediaで見たら、ヒッチコックがこの作品に惹かれたところが「シャワー中に美女が斬殺される唐突さ」と書かれていて、ちゃんと唐突にやりたかったんだと思ってちょっと笑った。
ヒッチコック、伝わってるよ。2024年に見ても結構唐突。でもとてもよい。

■カメラワークが◎
ノーマンの母の正体がわからないようにするためか、ぐいーんと天井あたりまで高く真上からの撮影するようなカメラワークが斬新で面白かった。
母親の顔を見せないようにしたり、身長もわからなくするみたいな目的があるかと思うけど、効果的でよかった。

シリーズ作品も追って見てみたいなと思った。