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流れるのNANAcのレビュー・感想・評価

流れる(1956年製作の映画)
3.8
むむむ、成瀬巳喜男とは相性が悪いかもしれない。何となく華やかさがなくて地味だからか、どうもパッとしないしピンとこない。詰まらなさがある。
リアルな市民の日常を描いてるのはわかるんだ。ただお金の話が多いし、何となく楽しくない。映画でこれを観たいわけじゃないなあーと感じる。
あと、登場人物とストーリーが全然追いつかなくてちょっとしんどかった。wikiで各登場人物の説明見ないと、誰が誰かさっぱりだし、会話も説明なしの話題が多くて理解できなかった。リアルに会話したらこうなるんだろうけど、観る側向けに自然に説明を入れる感じの配慮がほしい。。没落気味の柳橋の花柳界の話だって事前予習ありで、ギリギリついていける感じだった。これ予習なかったら何の話かサッパリだったかもしれない。

最後のシーンだけは良かった。三味線をひく山田五十鈴からの隅田川の風景。滅びゆく柳橋芸者の美しさがあった。

山田五十鈴の芸者の演技はさすがだった。三味線と長唄の場面は見惚れた。あの映像だけでも貴重。
そして、手を叩いて人を呼ぶ栗島すみ子の貫禄よ。最初に一瞬映ったときから、佇まいと雰囲気が違った。着物が雰囲気に合っていて素敵すぎる。
山田五十鈴しかり、栗島すみ子しかり、日本の芸事をマスターしてるの本当に格好良い。習ってみたいなあ。
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