Mackey

お茶漬の味のMackeyのネタバレレビュー・内容・結末

お茶漬の味(1952年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

お見合い結婚した夫に満足できないでいる妻が喧嘩した後にお茶漬け食べて仲直りして旦那を見直す話。

夫が義理の姪っ子に説教させられるも妻がいなくなるのをうかがうシーンが普通に笑える。

佐分利信演じる夫が今までに見た紀子三部などの小津作品ではあまり見なかった夫像で新鮮だった。当時の社会に適応はしつつも、自分の妻や他人に風習や価値観を積極的には強要しない感じ。パチンコや競馬などの新しい娯楽にも寛容だし。

たださすがに妻がお茶漬け食べた後急に旦那を褒め始める流れの説教臭さは否めない。それまでの妻の振る舞いや夫の憎めない人物像を踏まえても今の価値観で見るとやや限界がある。

最後は自由恋愛に向かう若者にお互いに思い合う大切さを託して終わった。出会い方に関係なく結婚や恋愛において大切なのは互いを想い合う気持ちとのこと。

軍隊時代の部下と歌を歌うシーンは『秋刀魚の味』や『戸田家の兄弟』同様戦後の悲哀が感じられる。客のいなくなったパチンコ屋のカットが切ない。
Mackey

Mackey