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宇宙皇子のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

宇宙皇子(1989年製作の映画)
4.0
六七二年の壬申の乱により皇位継承争いに決着がつき実権を藤原不比等(石田弦太郎)が握った頃、都は奈良に移った。当時貧しい人々に手を差しのべようとする修行者の一団があった。彼らは鬼と呼ばれ、金剛山に道場を開き、不動明王を信奉している。鬼の統師・小角(池田勝)は強い霊力を持っていたが、妄りに使うことはせず彼らを目の敵にする朝廷に対して反乱を起こさなかった。宇宙皇子(古谷徹)も弟子の一人だったが、民がいくら苦しんでも朝廷に反旗を翻えさない小角の考えについていけず鬼の広足(礒部勉)に教えを請うた。しかし、広足こそ朝廷の密偵だった。ある日宇宙皇子が盗賊を捕まえると、圧制から逃がれてきた農民を魚養(池田秀一)が率いる一団だった。その頃、宇宙皇子が不比等を襲撃した罪を口実に朝廷の軍が金剛山に攻めていたが、宇宙皇子の罪を背負って小角は流罪となり鬼はまだ立ち上がらなかった。宇宙皇子が小角に理由を聞くと、ただ「大宇宙の中に小宇宙がいくつもある。病んでいる一つの小宇宙を癒すことが他の小宇宙を癒すきっかけにならなければならない」と答えた。都から、前の都を騒がす妖魔を、小角の罪を減ずる条件で退治するように、宇宙皇子たちは命じられた。宇宙皇子たちは妖魔に苦戦するものの、なよ竹(島本須美)の笛の音のお陰もあって妖魔を退治することが出来た。宇宙皇子は、この戦いから力で対決するのではなく、力を蓄え流浪人を集めて国造りをしていくことを決意する。かつて盗賊だった魚養と皇子を助けてくれたことのある多々良女が藤原不比等の罠にはまって殺された。流浪人の国造りは鬼たちの協力で実現しつつあったが朝廷の邪魔が入った。鬼と朝廷の対決、皇子は小角の教えを守り徹退を説く。流浪人たちも生きのびて国造りの思想を全国の仲間に広げる道を選んだ。そして皇子は不動明王に化け、朝廷の仙術使い・広足を倒すのだった。
藤川桂介の長編歴史ファンタジー小説を元にしたアニメ映画。
様々な戦いの中で、貧富の差に苦しむ民を救う道を模索し成長していく宇宙皇子の成長物語を軸にしたストーリーは良いけど、朝廷と宇宙皇子たちの対決だけでなく、宇宙皇子となよ竹のラブストーリーなどの要素が絡んでいるので、ストーリーを詰め込み過ぎた感じの浅さが惜しい。
これがヒットしたら続編が作られる予定だったが、中途半端になったのが惜しい。
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