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台風騒動記のpapandaのレビュー・感想・評価

台風騒動記(1956年製作の映画)
3.8
おもしろい。山本薩夫監督というととても固いイメージがあったけど、これはかなり辛辣なコメディー。「天災の後に来るのは人災」とあったけど、大きな台風の被害で命からがら避難した人たちを差し置いて、いかに補助金を騙しとるかと大騒ぎする連中ののっぺりしたムジナっぷり。小学校にやっとの思いで避難して肩を落とす人たちの中を議員達の天丼の出前が通っていく場面が象徴的。やたらと大声で騒ぎを起こすけど決して責任はとらない、カネと権力、日和見、いざとなるとだんまりの知らん顔。先生の方も「イザという時は…」とか言いながらなにもしない。程度の差はあるけどなんか自分にも似たような所はあるな、と思いながらニヤニヤしてしまった。役者さん達やスタッフの力が素晴らしい。
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