昭和初期。西日本一と謳われた高知の妓楼・陽暉楼には、当時三百人近くの芸妓がおり、色と欲の世界で艶を競っていた。今日もまた女衒の富田岩伍に買われてきた女・貞子がいた。貞子は陽暉楼に入り、芸妓…
>>続きを読む久乃が吉原の中梅楼に女郎として売られてきたのは十八歳の春の事であった。久乃は娼妓営業の鑑札が下り若汐という源氏名をもらったが、初見世の時、客のもとを飛び出してしまう。これに激怒したお職の九…
>>続きを読む大正から昭和初期にかけて西日本一を誇った土佐の高知随一の遊興・社交場として二百人以上の芸妓を抱えていた陽暉楼。十二歳の少女の頃売られてきた当代一の芸妓・桃若とその父親であり、女衒稼業に生き…
>>続きを読む生まれついての喧嘩好きで親兄弟からも見放された一匹狼・衆木。日露戦争に召集された彼は、転属を重ねて南支派遣軍に籍を置くことに。だが古参兵の横暴に正義感を爆発させ、重営倉に入ることもしばしば…
>>続きを読む女衒を生業とする富田岩伍は、旅の途中で拾った少女・菊を連れて帰る。やがて菊が美しい娘となり、2人の息子もそれぞれ成長していたが、岩伍の妻・喜和の心痛は竜太郎の病弱と健太郎の放蕩だった。さら…
>>続きを読む粟津環は堂本組若頭補佐で粟津組組長の妻である。服役中の夫の留守を預かり、さらに組の勢力を伸ばすほどの辣腕ぶりだった。堂本組総長の急死によって、その妻・絹江にも頼りにされるようになるが、跡目…
>>続きを読む関西のヤクザ・坂西組は、三代目組長が倒れてから妻・葉月が切り盛りしていた。舎弟頭の寺田は四代目の座を狙っていたが、若頭補佐・赤松の出所と三代目の死によって組の主導権争いが勃発。さらに赤松を…
>>続きを読む大正10年。土佐の侠客の大親分・鬼龍院政五郎の養女となった松恵は、愛妾たちの凄まじいまでの女の業と生きざまに触れて少女から女へと成長する。やがて、政五郎が強奪した娘・つるが出産した花子が盲…
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