映画の海

ショート・カッツの映画の海のレビュー・感想・評価

ショート・カッツ(1993年製作の映画)
3.5
長丁場だけどあまりダレることなく観ていられるのは緩く繋がった人間関係の面白さとテンポの良さのお陰だろう。登場人物もエピソードも多く雑多になりやすいところを飽きさせず戸惑わせずに惹きつけるカットと編集の巧さが秀逸だった。

でも原作のレイモンド・カーヴァーのファンとしてはイマイチ。原作を読まずに映画は映画として楽しんでから原作の魅力を味わう方がおすすめ。原作の素晴らしさはぜひ味わってもらいたい。
映画もドタバタと楽しめる作品だが、原作の独特の距離感やユーモア、ペーソスはない。特に残念だったのは『ささやかだけど、役に立つこと』の素晴らしさが全く失われてしまっていたこと。原作が余りにも素晴らしいだけに悔やまれる。
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