マインド亀

黒線地帯のマインド亀のレビュー・感想・評価

黒線地帯(1960年製作の映画)
3.5
●あまりこの時代のこの手の邦画を観たことがなくて、大変不勉強で申し訳ございません。アマプラで、「もうすぐ終了」に「地帯」シリーズが大量に表示されていたので、傑作と呼び声の高いこちらの作品を取り急ぎ観てみました。石井輝男監督は「ゲンセンカン主人」しか観てないです、すいません…

●まずオープニングのスタッフロール!斜めに移動するのは今見るととてもモダン。そこからハイテンポに、最小限の説明でポンポンすすむ昭和の夜の裏社会。主人公はまるで夢の中を旅するように次から次へと調査エリアを広げていきます。あまりにテンポよく進むので見てるこちらはなんの調査をしてるのか追いついていけなくなるほど。(ターゲットを追いかける際のビッグ・バンドの音楽もアップビートでかっちょいい!)その度に多くの美女が主人公に絡んでいくのですがハードボイルドなので手を出すことはしません。しかし主人公は最終的に一人の女を見初めます。唐突に。その人、割とヒール側だと思うのですが、突然のベビーターン。なかなかのご都合だと思うのですがそんなことは無問題。かっこよい男こそが正義。

●毒を盛った殺し屋の、影を使った不気味な顔へのライティング、男の顔の下からテーブルへ伸びる手など、絵の作り方がめちゃくちゃかっこいい。列車アクションやスピーディな格闘もあり、本当に盛沢山なエンターテイメント。まさに和製ノワール。アマプラはこういう良作を配信してるのをもうちょっと目に留まるように見やすくセレクトしてほしいです。いつも配信終了の時しか表示されないもんで。ぜひ見ることのできる方は観てみてください!
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