ノノ

クラムのノノのレビュー・感想・評価

クラム(1994年製作の映画)
4.5
漫画を描き始めた頃の作品に、レコードと猫がいればいい、おれは女全員に拒絶されてる!なんて書いてて、クラムの強烈な絵とエッジの効いた物語にはこういう少年の頃の劣等感が影響し原動力となったんだなとわかる。
昔はイケメンだったが精神病で引きこもりの兄がなかなか興味深い。厳格な父親からの抑圧や学校でのいじめが原因でおじさんになっても引きこもって本を読むだけの生活をしている。残酷だ。
ロバートのヘラヘラした感じや何に対しても捻くれた見方をするところとは裏腹に、街や人を見て絵を描くときの瞳はキラキラしてて嫌いになれない人間性が垣間見れる。あと、シンプルにふざけてない絵もめちゃくちゃ上手い。汚くて滑稽な漫画だけど力強く、最低に輝いてる。すごくいいドキュメンタリーを見れた。
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