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鶴八鶴次郎のkogureawesomeのネタバレレビュー・内容・結末

鶴八鶴次郎(1938年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

哀調のある節にのせて哀しい女性の人生を歌いあげる新内節という語り物の音楽というジャンルがあるらしい。

幼馴染の三味線弾きの女と新内語りの男が主人公の映画。
互いに好きという気持ちがありながら、ささいなことで、すぐにケンカになる二人。映画の中では4回のケンカがあり、
互いの気持ちを確かめた後の3回目が決定的なものとなり、女は別の男と結婚し、男は流浪の身になる。
数年経って、落ちぶれた男の芸を惜しむまわりの協力で、コンビ復活を果たすが、喝采を浴びた後の4回目のケンカによりコンビは解消される。しかしそれは男が女を思いやり、わざとしかけたものだった。

ロケのシーンが特に印象に残ります。
下町の雰囲気。路地の細い道。流浪の最中に出てくる田舎の風景。

主人公の男を長谷川一夫が演じている。
長谷川一夫は当時のいい男の代名詞的存在だった。またの芸名を林長二郎という。
「ミーハー」とは、林長二郎のファンのために作られた言葉で。当時の若い女性が大好きな「みつまめ」と、「はやし長二郎」を略して「ミーハー」だそうです。その長谷川は1937年に松竹から東宝に移籍することが原因で、暴漢に「二枚目の命」とも言える顔を斬りつけられるという被害に遭っている。この映画はその一年後の作品で、傷跡が、はっきりとわかるほど残っているのが痛々しい。しかし再起不能と言われながらも芸名を本名の長谷川一夫に戻し、戦後も活躍を続け、没後、役者初の国民栄誉賞を受賞した。

三味線弾きの山田五十鈴が綺麗だった。
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