A8

シカゴのA8のレビュー・感想・評価

シカゴ(2002年製作の映画)
3.0
時に才能は、運命をも凌駕する。

エンターテイメントに飢えている街、善と悪が混同する街そして、銃弾1発でスターになれる街シカゴ。そんな街に今日も新しい顔が新聞の一面を飾ろうとしている。
愛人殺しで刑務所に入った主人公は、この街の仕組みを知るのである。そして彼女はみるみるそこへ真実よりも目の前しか見れない世界へ引き込まれていく姿を描かれていた。

まず、これは映画ではないと言うのを念頭においた方がいいと思った。なぜならストーリー構成や感情移入はミュージカルの華麗さに置いてけぼりになっているからである。だが、そうといって面白くないわけがないのがこの作品の素晴らしいところである。
完全に歌とダンスとその目で最高の作品として残る非凡な世界を作り出したのである。

もうこうなれば、善には救いを、悪には天罰をなんて万人受けするような展開は望まない。ただただ、彼女らが、彼らが作り出す舞台に魅了されるだけなのだから。

最後のミュージカルの一幕はまさにこの映画の全てを表している。エンターテイメントこそ生きる上で1番必要なモノと言わんばかりに。そして思わずその言葉にうなづきたくなるような舞台であった。
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