すごく好きなテーマの作品。
法廷における真実と、実際の人の心の折り合いをどうつけていくのか…観客に問う作品好きです。
本作では刑法37条1項における「緊急避難」がテーマになってて非常に面白い。
原作の小説は円山雅也、弁護士経験があるそう(Wikiによれば、タレント弁護士の草分け的存在らしい)。
演者について、若尾文子は演技が割と堂々としていて声が綺麗すぎるのと、川口浩は爽やかすぎて緊張感が少ないなと思ったのだが、『最高殊勲夫人』での明るい雰囲気のカップルを演じた二人だからこそのギャップがあって良かった。
終盤の展開、しつこいくらいに妖しくて好き。また画面が白黒だからこその緊張感が引きたっていた。
舞台となる会社は中外製薬か(段ボールに書いてあった。取引先のものかもしれないが)?個人的に製薬会社ものは興味をそそられる。
純文学系の作品、ラブコメディ、法廷もの…増村保造監督は何でもできるのだな。コンプリートめざします。あとは、脚本の井出雅人も好きだな。
暗いながらもお花が添えてあるジャケットが格好いい。