風の旅人

ビフォア・サンセットの風の旅人のレビュー・感想・評価

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
4.0
『ビフォア・サンライズ』から9年後、作家となったジェシー(イーサン・ホーク)は、パリの書店でセリーヌ(ジュリー・デルピー)と再会する。
9年という時間の経過で、ジェシーは結婚して子供ができ、セリーヌも違うパートナーができていた。
今でもあの時の出来事は二人にとって特別で、言葉を選びながら慎重に過去に分け入っていく。
二人の会話からは瑞々しさがなくなり、現実的な話題に終始する。
もうあの頃の二人はいない。
未来への可能性に開かれていた9年前と、生活に追われている現在。
しかし車の中でセリーヌが感情を爆発させた後、セリーヌの部屋の中での二人のやり取りは、紛れもなく9年前と変わらないものがあった。
それが微笑ましかった。
時間は流れ去るのではなく、積み重なる。
今という瞬間に過去も同時にある。
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