デイジーベル

エスケープ・フロム・L.A.のデイジーベルのレビュー・感想・評価

エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)
3.8
「バンコク式で行こう。」
映画史に残る、卑怯な手を使っているにもかかわらず最高にカッコいいシーンに痺れる作品

◯作品と概要◯
「ニューヨーク1997」の続編だが、限りなくリメイクに近い本作。
規制がどんどん厳しくなり、言いたい事もろくに言えないような世知辛い現代社会。今の時代こそ、我々はこの作品を観て気付くべきなのかもしれない。前作以上に反体制マインドに溢れた作品となっている。

◯ストーリー◯
2013年、大地震によって陸の孤島と化したロサンゼルスは巨大な監獄となっていた。今回も致死ウイルスを打たれて危険なミッションに挑む、意外に背が低い伝説の男スネーク🐍

◯感想◯
決して媚びない、愛想のない、リアクション薄めの男「スネーク・プリスキン」。真の男は自分語りなどしないのだ。
この作品は七面倒くさい映画に疲れた貴方の心をとろけさせてくれる映画だ。ゴミのような日々を忘れて酒でも飲みながら楽しく観れば良い。(ちなみに前作を観ていなくても全く問題はない)とにかく「スネーク・プリスキン」に痺れる為の作品といえるだろう。子供っぽいことを大真面目にやっているところにどうしようもなく惹かれてしまうのは、私だけではない筈だ。(CGや合成がお粗末なのはご愛嬌)
※映画の中の喫煙シーンにすら文句を言ってくる嫌煙家達に唾を吐きかける作品でもある(今や喫煙シーンがあるだけでR指定がかけられる始末だ)


◯雑記◯
相手の愚痴をよく聞いてあげ、優しく同調してあげる。そんな見せかけの優しさがモテるようだ。しかし昨今の女性上位時代、何を信じればいいのかわからない現代における男性の理想像こそ「スネーク・プリスキン」彼に他ならないのではないか?優しげなリプライなんて送るより、「悲劇だな、タバコあるか?」とバッサリと切り捨てる。そんなアウトローな男らしさこそが我々が失った、取り戻さなくてはならないモノなのかも知れない。(´ω`)