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ちょんまげぷりんのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ちょんまげぷりん(2010年製作の映画)
3.6
《料理の映画》、Vol.2。

これ、結構好き。
思いのほか錦戸亮がこのキャラにハマってる。
鈴木福の舌足らずで子役演技が冴え渡る。

不躾な現代育ちのヤンチャ坊主とシングルマザー。
家事にも仕事にも追われててんやわんやで結局どっちも手に負えてない母親が、このどうやら江戸時代からタイムスリップしてきたしまったらしい武士との巡り合う。

ただただ不審者でしかない巣鴨のスーパーの前に佇む武士。
わけわからず流れでコイツを拾い、流れで居候に。

「表向きのことは男、奥向きのことは女と決まっておろう、、、なんと、あさましいことか」

から始まり、居座ることによるお返しとして“奥向きのこと”を。つまり、180度逆転の主夫に転じる。

もともと礼節、信義、忠誠を重んじる武士。
2人のことも、主夫のことも、自分のことも。ストイックに、ストレートに。

それから、彼の主夫道が始まり、最初に食べさせてもらった“プリン”やその他のデザートに目覚める。
“武士”が“主夫”になり、まさかの“パティシエ”に、、、。

王道の江戸タイムスリップ系だが、それよりも別のことのインパクトの方が圧倒的な映画。

侍、スイーツ、そして、ラブコメこさじ少々。
見た目のインパクトが強烈な要素がふんだんにある中で、働く女性、家事をする男性、育児問題、意外と今でも旬な社会的な話題を盛り込む。

非現実的で破天荒あっぱれに勢いで突っ走る物語がなぜだかその中で散りばめられてるリアルさに妙に共感を呼ぶというか。

普通に考えればほぼ間違いなく共感なんかできるわけない映画なのに、なんか妙なリアルさ。

それで言うと、ともさかりえというキャスティングもそれに一役買ってると言える。
昔からこの人、、、別の作品でも、観始めて出てきてから、最後の方にかけて印象が変わると言うか、、、最終的には可愛く見えるというか。

それが、この物語の錦戸亮に共感したからなのか、もともと彼女の特性なのか。そこも共感できる映画。

とにかく甘いもの食べたくなる禁断の映画。

“武士道”が現代社会で子供や親や社会の甘えやほつれを正し、大事なことを気づかせながら、本人も己と向き合い大義を果たす。

ふざけた映画ではあるが、しっかり1本筋を通す《侍の映画》。

よくよく考えれば、この現代社会の要素がないと成り立たない映画でもあり、最後の展開も王道だけど、“粋”な映画。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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