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テルマエ・ロマエのぴろのレビュー・感想・評価

テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)
3.0
私は銭湯が好きで、時々息抜きに通っている。私の思う銭湯の良いところは主に3つある。

1つ目。単純に、広い湯船にざぶんと浸かれること。手足を伸ばして熱い湯を堪能できるのは実に気持ちがいい。露天風呂がついていたらもう最高だ。家の浴槽では味わえない開放感が、身体を芯から癒してくれる。

2つ目。趣のある建築。昔ながらの銭湯は、それが建てられた往時の雰囲気を色濃く残している。昭和レトロ、大正期に流行った擬洋建築、純和風の宮造りなどなど、そうした建物の造りや特徴、佇まいを観察しているだけでも楽しい。脱衣所や浴室の小汚さも一種の風情だ。

3つ目。その土地の普通の人々の暮らしが垣間見えること。銭湯には裕福な住民や観光客なんかはまず来ない。どちらかと言うと、ブルーカラーのオッサンや地元のお爺ちゃんが多い印象だ。そうした人々の、銭湯を中心に営まれる気取らない交流を見ていると、その地域の雰囲気が何となく分かるし、中々味わい深いものがある。普段は彼らの会話に聴き耳を立てるだけだが、旅先では時々話しかけてみたりもする。一期一会の出会いもまた一興だ。

皆さんも近所の銭湯に足を運んでみてはどうだろう。ローマ人との出会いやタイムスリップはなくとも、新たな発見がきっとあるはずだ。


【メモ】
○ あえて日本屈指の濃い顔俳優たちを集めてキャスティングされた本作。撮影地であるイタリアで上映試写会があった際、観客たちの感想の中には「古代ローマ人でもこんなに顔の濃い奴はいない」と賛辞を送る声もあったらしい。(Wikipedia)
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