ぴろさんの映画レビュー・感想・評価

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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.0


他のみなさんが本作について鋭いレビューをしているなかで恐縮ですが、僕は正直、こういう性加害といったテーマが苦手で、なかなか目を背けがちです。
というのも、男の性に対する欲望の底のなさというのを、自分
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

2.5

【IT機器と子育て】
先日、こども園の園長さんをやっている人と少し話すことがあったのだけれど、最近の子供はスマホやタブレットを大人顔負けに使いこなして、動画やらゲームやらをするので、ついていくのがやっ
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.0

トム・ハンクス主演。ちょっと変わり者だけど、素直で心優しい青年フォレストが、様々な出会いと別れを繰り返し、「うそだぁ笑」と言うような偉業も成し遂げていく半生を描く。

すごいことをしても、それをひけら
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ピンポン THE ANIMATION(2014年製作の映画)

4.5

【青春懐古】
俺にもピンポンみたいな青春があった。登場人物でいうと、アクマのような、なんだけど。

才能人の華々しい活躍の陰には、必ず血の滲むような努力がある。さらにその下には、努力しても花開かずに引
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.7

【回顧】

まだ大学生だった2年前の1月、当時ずっと気になっていた駅前のジャズカフェに行って、シンガーさんのライブを初めて生で聴いたのを思い出した。

あの衝撃。肉声の力強さ、そして温かみ。歌を介して
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

1.5

妹が絶賛していたので映画館で観たのだが、うーんイマイチ。完全に個人的で勝手な感想だけど、鬼太郎をあまりよく知らない私からすれば、鬼太郎の前日譚である必要がなかったな、と思ってしまった。

ダークでシリ
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紙の月(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【社会の偽善を破り捨てる、女横領犯のクライムサスペンス】

不倫相手の大学生に貢ぐため、多額の金を横領した銀行員、梅沢梨花の物語。しかしこの作品は単なる馬鹿な女の転落劇と一言に片づけられない。一見何不
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

4.2

スタジオジブリで活躍したプロデューサー西村義明氏が、2015年に新たに立ち上げたアニメーションスタジオ・ポノックの最新作。少女の想像によって生まれたイマジナリーフレンドを主人公に、現実と想像が交錯する>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【史上最凶の悪のカリスマ=暴走する社会的弱者】

「心の病を持つ者にとって最悪なのは、世間の目だ。こう訴えてくる、心の病などない。普通の人のようにしてろと」

貧しい大道芸人アーサーの日記の一節に、学
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

【ワンカットの功罪】
 先に伏線(違和感)を散りばめたストーリーを1周させ、その後「答え合わせ」の2周目を見せるという2段構成。のどの小骨が一つ一つ取れていくような爽快感や、意外性のある展開が話題を呼
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酔拳2(1994年製作の映画)

3.3

秋の夜長に不意にジャッキー映画が観たくなり、YouTubeを探したら2だけ上がっていたので。いやーやっぱり面白いね。何も考えずにずっと飽きないで楽しめる。米国発アクションとは違う、このカンフー映画なら>>続きを読む

サマータイムマシン・ブルース(2005年製作の映画)

4.2

【世界一くだらないタイムスリップ】

 斬新、その一言に尽きる!タイムスリップものといえば、もっと爽快で、スペクタブルで、ドキドキワクワクの大冒険〜って感じがするもんだと思っていたけど、今作はそのイメ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

2.2

【映像作品の説明過多に対するアンチテーゼか】

新書『映画を早送りで観る人たち』によると、近年の映像作品は何でもセリフで説明してしまう傾向があるという。『鬼滅の刃』もそうだが、登場人物が自分の気持ちや
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 ロシアの人工衛星が爆破され、その破片が宇宙船エクスプローラー号を襲うことから物語は始まる。本作は、女性宇宙飛行士のライアンが、次々と迫り来る危機にたった独りで立ち向かい、地球へと生きて帰還する過程を>>続きを読む

ALONE アローン(2016年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

とあるトラウマから恋人との新たな一歩を踏み出せずにいる男の深層心理を、地雷原での極限状態に重ね合わせ寓話的に描いた作品。

アメリカ兵の主人公マイクは、戦地でのとある任務に失敗し、撤退途中に地雷原に迷
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新聞記者(2019年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

【政治権力vs新聞記者 言論が萎縮し、権力が幅を利かせる時代 なお貫くジャーナリストとしての信念】

最近とある界隈で話題の『朝日新聞 政治部』を読了した。元朝日記者・鮫島浩による政治ノンフィクション
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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

【人間関係リセット癖 若者の苦悩をハートフルに描く】

映画スタンドバイミーにて、クリスがゴーディに自身の悩みを打ち明けるシーンがある。
"I just wish that I could go so
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火垂るの墓(2008年製作の映画)

2.0

【生々しさ 感情表現 アニメ版に劣る 実写の強み活かせず】

戦後の混乱期を懸命に生きた、ある戦争孤児の兄妹の物語。

言わずと知れた高畑勲監督のアニメ映画の実写版。しかし、実写であるにも関わらず、戦
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はちみつレモネード(2020年製作の映画)

2.5

【作品と関係ない日記】

9月12日。
今朝は7時に起きて、頼まれていた家の仕事をやっぱりやらなくていいことが分かり、10時過ぎまで二度寝した。昼から教習があったので、軽く朝食を済まし、シャワーを浴び
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川を見に来た(2019年製作の映画)

2.2

ながおか映画祭2020 特別上映作品。妻に見放された男とその弟、消えた夫を探す女不倫関係の男女、売れない役者2人組…といったそれぞれ別の背景を持つ人々が川辺に集まったとき、事件が起きる。

まるで舞台
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

3.0

【プラトニックな関係に香り立つエロティックさ 稀代の中華ラブロマンス】

1960年代の香港が舞台。隣人同士の新聞記者の男と社長秘書の女が、そのパートナー同士の不倫に気付き、それをきっかけに互いに距離
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太陽の季節(1956年製作の映画)

1.3

故・石原慎太郎氏の代表作の映画化。未熟な若者たちの享楽的な生活が描かれる。

男も男だが女も女。観ていて腹が立つガキばかりだった。
「人を愛することができない」?当たり前だろう。人を愛するには、自分自
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テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)

3.0

私は銭湯が好きで、時々息抜きに通っている。私の思う銭湯の良いところは主に3つある。

1つ目。単純に、広い湯船にざぶんと浸かれること。手足を伸ばして熱い湯を堪能できるのは実に気持ちがいい。露天風呂がつ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

5.0

【終わりゆく夏、来たる秋】

 夏は青春の季節である。青い空を背景に、もくもくとその陰影を際立たせながら摩天楼のようにそびえ立つ入道雲を見る。するといつでも気分は子供の頃のようで、何かが起きそうなワク
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.1

親に殴られもせず、ちゃんと学校に行けて、万引きなんてしなくても三食食べられて、今まで真っ直ぐに生きれこられた。それがどんなに恵まれたことだったのか。親の偉大さ、お金に困らないことの有り難み、そういった>>続きを読む

インビジブル(2000年製作の映画)

1.2

だいぶ昔に鑑賞。

透明人間になったら何がしたいだろう…?
結構真剣に考えてみたけど、あんまり何も浮かばなかった。

「幸福が現実となるのはそれを誰かと分かち合った時だ」

『イントゥ・ザ・ワイルド』
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漂流ポスト(2018年製作の映画)

2.2

「前に進むことが忘れることに繋がりそうで怖い」

震災に限らず、大切な人をある日突然失って、その瞬間から歩き出せずにいる人は世の中にはたくさんいるだろう。

僕の知ってる人にも、2人目の子供が生まれた
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套ねる夕暮(2019年製作の映画)

1.2

套(かさ)ねる夕暮れ

ただただキモい。
意味分からん、何の映画?と思ったら、「広島こわい映画祭」の出品作品と知って納得。

確かにこれはホラー。しかも、これはもしかすると結構新しいタイプのホラーかも
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.2

千と千尋の神隠しとあんまり関係ないただの独り言


"世が明ける頃に
龍の背に飛び乗ろう
抱きしめてくれ
君を振り落とさないように
強く痛いほどに
tandem runaways"

 なんかちょっと
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ちはやふる 下の句(2016年製作の映画)

3.0

まだ高1だった頃に友達と鑑賞。いつメンで遊んでいた時、ふと友人の1人のTが『ちはやふる 下の句』観よ、とか言い出した。T以外は上の句を観ていなかったが、Tが「大丈夫大丈夫、絶対最初にあらすじみたいなの>>続きを読む

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 『ダーク・ウォーターズ』。米化学メーカー大手のデュポン社による公害問題の闇を暴く、実話ベースの社会派スリラー。
 実話ベースの社会派映画… 『アメリカン・スナイパー』や『ハドソン川の奇跡』と似たよう
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

今年も恒例の劇場版コナン!
中学の頃から毎年同じ友達と観に行っていたけど、僕ももう来年から社会人。もう今年で最後になるかも知れないなぁ、なんてしみじみ思いつつ笑

今年はコナン映画ファンとして大満足の
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【「普通」とは何か 偏見と差別の果てに、男女は何処に流れ着く】

「いいの。どうせ人間なんて、みんなどっかちょっとずつおかしいんだから」
『言の葉の庭』でヒロインがこぼした言葉を思い出した。

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axandax(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 2020年SKIPシティ国際Dシネマ映画祭出品作品『axandax(アクサンダックス)』。学歴や職業、資格など、あらゆるものが「個人価値」として数値化された時代を舞台に、人生に挫折した男とカウンセラ>>続きを読む

溶ける(2015年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

 何者にもなれない片田舎の女子高生の葛藤を描いた、ほろ苦くも瑞々しい一作。

 とある山間の町に住む主人公は、明るい未来の見えない周囲の環境や自分の人生に鬱々とし、衝動的に近所の川に飛び込むことを繰り
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

2.1

盲目の老人宅に強盗に入った主人公ら3人組。油断していた彼女らだが、その老人は聴覚が異常に発達した怪力の元軍人だった!少しでも物音を立てれば見つかる。息を殺して生き延びろ!新感覚気配斬りホラー!!

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