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11人いる!のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

11人いる!(1986年製作の映画)
4.5
原作者の萩尾望都先生すごいです。
私的には「ブレードランナー」超えました。「宇宙兄弟」的な友情や恋愛もあって楽しかったけれど、1975年の原作でSFを通してここまで幅広く現代社会の地球規模の問題を示していたことに感動しました。

温暖化、ジェンダー、差別、格差、疫病、限られた資源の取り合い等々。

未来の宇宙船飛行士学校の最終試験で53日間同じ宇宙船で暮らすタスクを課された受験生たち。10人のはずが11人にいる。疑心暗鬼とトラブルの連続。密室の中で死闘となるか共闘となるのか、ムダのないプロット、キャラの立った人物。

まるでチームビルディングのワークショップでした。見た目、出身(星)、背景をぞんぶんに変えられるのはSFならでは。差別感を植え付けるものは何か。見知らぬ人をどう信用するか。

めちゃめちゃおもしろかった。

様々にオマージュ、パロディが作られたようですね。

密室の宇宙船は地球号のことでもありました。
今観ても十分に新しく、宇宙もののSFで戦闘を描かない平和な作品が好きです。
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