櫻イミト

夜は千の眼を持つの櫻イミトのレビュー・感想・評価

夜は千の眼を持つ(1947年製作の映画)
3.5
エドワード・G・ロビンソンが超能力者を演ずる異色フィルム・ノワール。監督は「八十日間世界一周」(1956)でアカデミー脚色賞を受賞したジョン・ファロー。

トライトン(ロビンソン)はイカサマ透視術の見世物興行を打っていたが、ある時から本当に未来が見えるようになる。20年後、彼は親友の娘ジーンの未来の危機を見てしまい、何とか食い止めようと奔走するのだが。。。

他人の未来の不幸が見えてしまう予知能力者の苦悩を描き、終盤は運命に立ち向かうサスペンスな展開となる。主人公には本当に超能力が備わっているのか?周囲の無理解もまっとうに描かれ、サイキッカーの孤独な戦いのストーリーは先駆的でもある。

小市民的な風体の超能力者を演じたロビンソンがハマリ役。ストーリーは止まらずに転がり続け、映像もフィルム・ノワール手法がミステリアスな雰囲気を醸し出していて楽しめた。ただ、ラストの警察の行動は咎められないとスッキリしない。

ミステリアスなサイキック・ヒューマンドラマの良作。

※ジョン・ファロー監督は女優ミア・ファローの父
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