エドワード・G・ロビンソンが超能力者を演ずる異色フィルム・ノワール。監督は「八十日間世界一周」(1956)でアカデミー脚色賞を受賞したジョン・ファロー。
トライトン(ロビンソン)はイカサマ透視術の見世物興行を打っていたが、ある時から本当に未来が見えるようになる。20年後、彼は親友の娘ジーンの未来の危機を見てしまい、何とか食い止めようと奔走するのだが。。。
他人の未来の不幸が見えてしまう予知能力者の苦悩を描き、終盤は運命に立ち向かうサスペンスな展開となる。主人公には本当に超能力が備わっているのか?周囲の無理解もまっとうに描かれ、サイキッカーの孤独な戦いのストーリーは先駆的でもある。
小市民的な風体の超能力者を演じたロビンソンがハマリ役。ストーリーは止まらずに転がり続け、映像もフィルム・ノワール手法がミステリアスな雰囲気を醸し出していて楽しめた。ただ、ラストの警察の行動は咎められないとスッキリしない。
ミステリアスなサイキック・ヒューマンドラマの良作。
※ジョン・ファロー監督は女優ミア・ファローの父