ブタブタ

近頃なぜかチャールストンのブタブタのレビュー・感想・評価

近頃なぜかチャールストン(1981年製作の映画)
3.5
『シン・ウルトラマン』も或る意味、庵野秀明フォロワー作品なのでその流れで庵野秀明監督が影響を受けた監督・映画を見る。

「レゾンデートル」って言葉はエヴァと本作でしか聴いた事ない。

童貞の婦女暴行未遂犯の少年・次郎(利重剛〈新人!〉)が警察署の留置場で独立国家邪馬台国の閣僚を名乗る奇妙な老人達に出会う。

戦後36年後の1981年が舞台ながらモノクロ映像のせいかとても80年代の世界には見えない。

井上ひさしの日本SF大賞作品『吉里吉里人』みたいな独立国家モノ。
但し此方はすごいスケールが小さく、且つその分狂気の具合いが高い。
主人公の少年が奇妙な老人グループの本気か冗談かよく分からない革命と反逆と精神の国家間闘争に巻き込まれる。

次郎の家は大金持ち成金、企業グループの元締め一族で母親と兄貴が言わばラスボス。
独立国家邪馬台国を巡るドタバタコメディの様相を見せつつストーリーは邪馬台国(という一軒家)の地下に眠る不発弾や保険金殺人や政治家による武器密輸等が絡むミステリー要素も絡めて邪馬台国の老人達による大活躍や何だかよく分からないうちの大団円。

戦争を生き残って故国に帰るも居場所のない元兵士達による反権力闘争や国家批判、奇妙な共同体によるスラップスティック、ブラックコメディと言うとデニス・ホッパー主演の『アメリカンウェイ』も同一テーマ作品か。
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