ピノコ

ボスニア戦線のピノコのレビュー・感想・評価

ボスニア戦線(1997年製作の映画)
3.9
おもしろかった。最後まで飽きることなく観賞できた。

戦場初体験のキャスター&現地合流したカメラマン・ジャーナリストの3人をメインに、戦地で仕事をする人たちの姿を淡々と描いている。本作にでてくるほとんどの報道関係者は非常にドライで、正義がどうとか真実がどうとかいうことではなくそれぞれ自分のために戦場に留まっている。

爆破や大ピンチなシーンはあまりなく(映画観た後にジャケ写みてギャップに驚いた)、敵もほぼスナイパーのため姿を見せない。ちょくちょく銃弾が飛んでくる中を3人が取材活動するシーンが続く。淡々としているけれども、撃たれた後の人々や、暗闇で息をひそめる人々などはしっかり描写されていて戦争の恐ろしさは静かに伝わる。

カメラマンのホセがノリが軽くドライなキャラクターで良い。ドライすぎてなんでもガンガン撮影してしまうところはあるが、とにかくバッテリーだ橋だと言う彼にだんだん愛着が湧いてくる。

起承転結の薄い映画ではあるけれど、クライマックスはきちんとしている。ラストには妙な爽やかさがあった。
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