mitakosama

風の武士のmitakosamaのレビュー・感想・評価

風の武士(1964年製作の映画)
3.2
東映YOUTUBEにて。元は司馬遼太郎の小説とのこと。忍者を扱った物語だが、思いのほかウェットな物語でビックリした。忍者ってどうしても任務のために感情を押し殺したクールなキャラクターってのが多いからね。

橋蔵が伊賀忍者の家系だが次男なのでグウタラな名張を演じる。
大木実演じる高力と町の剣術道場に所属しているが仲が悪い。
名張は別途セフレみたいな女はいるが、本当は道場の娘・ちのに想いを寄せている。

実はちのは、熊野の安羅井なる財宝が眠っている隠れ里出身のお姫様。
“やすらい”ってネーミングが“休らい”みたいでなんか可笑しみを感じる。

で、財宝を狙い紀州藩が襲撃。高力は紀州藩につき道場主を殺しちのを拐う。
そして名張は江戸から老中・水野忠之(西村晃)に呼び出され安羅井捜査の任につく。
紀州と江戸との出し抜き合いという構造だ。

江戸からは公儀隠密の“猫”とその部下のお弓が名張のお目付役としてつくが、名張はちの恋しさに独自の行動に。
だがなんと高力が力ずくでちのをモノに。「うはははは。ちのは俺が女にしてやったぞ」というまさかの後味悪いNTR展開!
任務より恋という名張だが、胸にシコリのあるままちのを確保し旅を続ける。純情な忍者の辛みよ…。

それにしてもタイトルの“風の武士”とはなんだ???
mitakosama

mitakosama