たおぱお

今度は愛妻家のたおぱおのレビュー・感想・評価

今度は愛妻家(2009年製作の映画)
4.0
独身時や、新婚時代に鑑賞していたら、こんな高得点はつけなかったのかもしれないなぁと…。

歳を重ね、自分の婚姻歴も長くなり、リアルに色んな知人夫婦の話を聞いたりしているからこそ刺さる、沁みる箇所が多かった…。

最初はコメディなのかと思いきや、中盤からどんどん物語に引き込まれ、涙が止まらなくなる。見終わった後に、もう1回最初から観て、伏線をしっかり確認したくなるような、そんな作品でした。

薬師丸ひろ子さんのチャーミングな演技が素晴らしかったです。
私には、ちゃんリンシャンの頃よりかわいく魅力的に見えました。進化し続ける女優さんってすごいなぁ…。





以下ネタバレです…。







最初、1年前と比較してめっちゃ部屋が汚いことに少し違和感があったんですよね。家庭内別居だとしても、こんなマメな奥様が、共有スペースの掃除もしないなんて…1年でこんなに変わるんだと。

でもそれにしても片付けもせず、働きもせず、奥さんが旅行に行くのに自分のご飯の心配して、出かけたとたんに女を連れ込んで、奥さんが死んだってことにして、浮気しようとするクズって…って腹立たしさもマックスで…。

でも、それらが全部伏線になっていて、中盤から、ああああああああって繋がっていく感覚がとても面白かった。

話はどんどん切なく、悲しく、辛くなっていくのに、散りばめられた伏線が回収されていく心地よさもあり、うあぁ…やられたぁ…これは面白い…と一人で唸りながら観賞できました。

夫だけに見えている奥様の存在。
自分が作り出した幻覚なのかと思って「俺の想像のつかない言葉を言ってくれよ。」という言葉が切なかったなぁ。

ここから先は私の勝手な解釈ですが、

夫がニンジン茶を飲めなくなったくだりがあることで、奥様の魂は実際にそこにちゃんと居て、夫に憑依していたのかな?
夫の後悔が作り上げた幻覚ではなくて、本人の思念もそこにあって、最後はちゃんと通じあってお別れができたんだろうなと思える終わりかたに救いがあって良かったと感じました。

でもまぁ、そもそも
生きてるうちに気がついてよ!
死別じゃなくてただの離婚だったら、ずっとあんな感じで、離婚後も奥様が軽く扱われて傷付いてたのかな…それはしんどいな…とか考えました。

日頃から自分の言動をしっかり振り返り、内省しながらより良くあろうと変化し続ける努力をする事、大事ですね。
反面教師にして、自分の大事な人はちゃんと大事にしていこうと思えました。
たおぱお

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