「奇跡の女優 芦川いづみ映画祭」にて観賞。
陰影巧みなロケパートが光るフィルムノワール。後半の東京パートも悪くないが、前半の神戸パートがいい。60余年の時を経ても、今とそれほど変わらぬ神戸の街並みを堪能。
そういう人物造形といってしまえばそれまでだが、主役の長門裕之が誠に冴えない。相対的にそして絶対的に、周囲のキャストが魅力的に見える。“ニ役”の大阪志郎や、切れ者だかそうでないのかよくわからぬ神山繁等々。
我らがいづみ嬢は思ったことをすぐ口に出す、(珍しく)気が強めの女性という役どころ。言うまでもないが今作でも見目麗しく可憐なり。しかし唐突に婚約者赤木圭一郎を紹介して、長門を絶望の淵に叩き落すくだりは失笑を禁じ得ず。