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悪魔のような女のtntnのレビュー・感想・評価

悪魔のような女(1955年製作の映画)
4.5
死者が物質になって蘇る。
クリーニングが届く不気味なシーンで、白い布をかけられたスーツがスーツそのものとして動いてくるかのような印象がある。死者を入れておく箱や棺桶など、画面から消された人間を物質が覆う。しかもいつの間にか物質が隠していたはずの人間は消えてしまい、空っぽになった手袋やプールだけが残される。
表層の裏側がすっぽりと抜け落ちしてしまう恐怖。
ボワローとナルスジャックは、『めまい』の原作者でもあり、この時期のヒッチコックとクルーゾーはサスペンスの名手として比較されていたらしい。
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