真っ黒こげ太郎

TATARI タタリの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

TATARI タタリ(1999年製作の映画)
4.2
先に進むしかない恐怖―――。

一晩生き残れたら、一億円!!!




かつて医師によって残虐非道な人体実験が行われていたとある廃病院。
病院は閉鎖された後にかつての姿で復元されたが、殺された医師や患者の怨霊が彷徨っていると言われていた。

この呪われた廃病院で一晩過ごして生き残れたら100万ドル!!(日本円にして一億円!!)なイベントが行われ、賞金目当ての人々が集まる。
しかし、何故か非常用の扉が全部閉まり、主催者もろとも全員病院に閉じ込められてしまう。

皆で病院内を散策し、脱出口を探す一行だったが、病院内に巣食う怨霊によって、とんでもない大惨劇が巻き起こるのだった。




閉鎖された廃病院内に閉じ込められた男女が、恐ろしい恐怖を味わう、オカルト・ホラー。
1959年の映画「地獄へつゞく部屋」のリメイクで、「蝋人形の館」「エスター」等のダーク・キャッスル・エンターテインメント制作映画第一弾。

続編が中々グロ指数が高いと聞いたし、本作もそれなりのグロ度があるらしいので鑑賞。まぁ何時も通りの鑑賞動機だね。w



話は単純至極、金目当ての連中が施設内に閉じ込められ、モノホンの恐怖を味わうという、まぁお約束なアレだね。
後半45分にならないと本格的な恐怖体験は始まらないのだが、そこに至るまでの展開もテンポが良い。

後半は怨霊が襲ってきたり、登場人物同士が騙し騙されたり、襲い来る怨霊からの逃走劇等、様々なイベントが展開。
後半の展開はかなり勢い任せだし、雑な展開や無理くりな展開もあるけど、かなりハイテンポで進行する為勢いで楽しめる。
正直昨日見た「真夏のエクストリーム・ライド・ホラー!」な煽り文句の映画よりもよっぽどライド・ホラーしてるぞ。wwwww

怨霊の演出はCGも使われてるが、顔面豪快抉れや、首チョンパ死体、バラバラ人体にグネグネした異形連中等、あちこちに特殊メイクを駆使したグロい場面が頻繁に出てくる。
やはりこういう重みを感じる特殊メイクや人体パーツをしっかり使ってるのは好感持てますね。



ただ、クライマックスには怨霊が実体化して豪快に襲ってくるのだが、これがあからさまにCG丸出しで急に怖さや重量感が一気に目減りしてしまう。
これなら姿見せない方が良かったんじゃ…。
(幽霊が床を破壊して襲ってくるシーンでは、しっかり火薬の爆破を使ってたのは好感触だけど。w)
また残酷描写や血生臭い描写こそ多いものの、殺害シーンが「※イメージです。」みたいな場面しかなく直接的に見せてくれないのは残念。
あそこまでグロテスクな人体パーツとかを用意できたのなら、殺害描写をもっとガッツリ見せてくれても良かったんじゃなかろうか。
(首をブッ刺されたり、メスでブッ刺されたりする殺害シーンはあったんだけどね。)


要所要所で「う~ん…」となる場面はあったが、テンポも良いし、見せ場や勢いも盛り沢山なので、エンタメオカルトホラーとしては十分楽しめました。
92分と尺も短めで、テンポも良いので暇つぶしがてらにでも気軽に見てください。

さて、続編もあるがそちらはどうだろうか。
何故かFilmarksでは続編の方が微妙に評価が良い(たった星0.1点の差w)んだけど、どうなんでしょうね。