オーウェン

太平洋ひとりぼっちのオーウェンのレビュー・感想・評価

太平洋ひとりぼっち(1963年製作の映画)
4.0
1962年(昭和37年)5月12日に、兵庫県西宮市から出港したマーメイド号は、米国のサンフランシスコ港に入港した。

堀江謙一青年の、このひとりぼっちの旅を再現したのは、名匠・市川崑監督で、堀江に扮したのは、石原裕次郎だった。

この映画が出来たのは、ヨットによる太平洋横断旅行のほとぼりも、まださめない1963年のことで、まるでドキュメンタリー映画を観ているような気分になってくる。

太平洋という大海に出た、ひとりの若者の生活がユーモラスに、しかし、厳しく捉えられている。
回想シーンという形で、家族などが描かれ、なぜこの旅をするのかと問いかけた。

ぶつぶつ、独り言を言ったり、一人はしゃぎまわったりする姿は、まさに暴風に見舞われ、木の葉のように大海に弄ばれるヨットに似ていた。

画面のほとんどは、この若者ひとりしか出てこない。
孤独感が、この映画全般にわたって、ひしひしと観ている私を包みこみましたね。
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