パン

いちご白書のパンのレビュー・感想・評価

いちご白書(1970年製作の映画)
4.8
うわー!!!!
冒頭から流れるサークルゲームが良すぎ~!
しかもフルだし。最高の音楽PVじゃん。
その他の楽曲も好きなやつばかりだ。

60年代の学生闘争を描いた青春社会派映画。
大人達からあらゆることを強制されそれに反発する当時の学生たち。
「国を愛せ、国のために学べ、国のために殺せ」 
どこまでも激しく虚しい咆哮がこだまのように頭の中で響く演出。

学生運動の内幕ってこんな感じなんだなあ。
色々と新鮮だった。ある意味戦争映画より衝撃だったかも。 
最初はどこかドキュメンタリー的な感じで遠い時代の出来事として観てたけど、終盤は完全に感情移入しながら観てしまった。
見せ方が本当に上手だわ。
映像の編集はイージーライダーとか真夜中のカーボーイにやや似てる気がする。

主人公も最初のうちは女目当てで活動に参加したり、軽薄な性格で全然好きそうになれなかったのだが、後半からは強い意志を持った革命家へと変貌を遂げててビックリ。 

あとこの映画メガネ率高くない?
男は髪伸ばしてメガネがトレンドの時代か…
体育会系ってだけで体制側扱いだもんな。
かなり極端な振り分けな気がするけど。 

ラストの展開も期待を裏切らない結末だった。
阿鼻叫喚の地獄絵図が頭に焼き付いていつまでも離れない。
建物ごと包囲する警官隊を前にジョン・レノンのGive Peace A Chance(平和を我等に)大合唱するシーンは鳥肌立つ。

アメリカンニューシネマの中でもかなり上位クラスに好きな作品。
既に廃版になってて今ではアマゾンで8万円だったりDVDが高いけどこの時代に興味がある人なら必見の作品だと思うな。
自分はU-NEXTにこの映画を配信してくれと要望出しまくったけど、配信してくれないからやっぱDVDを買うしかなさそう。
でもタイミング良ければケーブルテレビとかで観れたりするらしいね。
パン

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