大橋直樹

HAZARD ハザードの大橋直樹のレビュー・感想・評価

HAZARD ハザード(2002年製作の映画)
4.3
暴力とドラッグがありふれたニューヨークという世界観で日本に飽きた若者二人と日本とアメリカのクォーターのアメリカ人の3人が他人に暴力とドラッグをばら撒きながらケラケラと生きていく数日間なのか数ヶ月なのかの話
外に飛び出れば何かが変わるかもしれないという期待感はすぐに裏切られて憧れのニューヨークも結局資本主義でビル街から川を挟んだ先にはゴミ溜めのような街があってただ暴力だけはピストルで一瞬で命を奪ってしまう命のあっけなさ
価値観が崩れていった時に残るのは自分自身の力強さと価値観を信じる事だけ
邦画の中でニューヨークを描くとこんな世界観になるのかととても驚いた
お金の価値さえ歪めてしまったこの3人の生き様は革命ですね
実際こんな破壊的な人間が隣にいたら嫌すぎるけどフィクションだから安心する
アメリカ映画の魅力って街が魅力的に見えるだけだね、本作でもニューヨークは見てて面白いものね
歪な街だから面白いんだよね
そんな破壊的な映画なのに何度も流れる音楽がギターの悲しげなメロディなのが良いですねぇ
この刹那的なすぐ壊れてしまう今の切なさが伝わってきます
憧れて飛び出たからこそ出会った人達はいるが、本当にやらなきゃいけない事は自分のいた場所で何をするべきなのかという事
クローズドな日本という世界で何を破壊して何を大切にするか
厨二で、でも忘れちゃいけない誰にも縛られない衝動を教えてもらった気がします
大橋直樹

大橋直樹