はんそく負け

ランボー 最後の戦場のはんそく負けのレビュー・感想・評価

ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)
3.9
2、3のランボーには多少なりともヒロイックに描かれていた点がありました。しかし今回のランボーは原点回帰というべきか、反戦・反暴力といったテーマを、年季の入ったランボーだからこそ出せる哀愁で見事に表現しきっています。かなり見応えがありました。

まず反暴力という観点から。かなりのグロ描写をこれでもか!とばかりに多用しています。観ていて非常に不快ですが、実際の戦争はもっとえげつないのでしょう。反戦映画としてある意味常套手段な表現ではありますが、先述の全てを終えたランボーの哀愁漂う背中も相俟って、非常に説得力のある描写となっていました。

またもう一つのテーマとして、善意の押しつけの危険性が挙げられます。観ないと分かり辛いレビューになりますが、確かに苦しんでいる人々を助けることは"エラい"ことです。でもそれだけではただの迷惑なのです。もっと賢くならなければならないんだなぁ、と身につまされる人も多いのではないのでしょうか?いろいろ考えさせられました。