てつこてつ

春の日は過ぎゆくのてつこてつのレビュー・感想・評価

春の日は過ぎゆく(2001年製作の映画)
3.4
「八月のクリスマス」のホ・ジノ監督作品だったのでレンタル。

2001年製作とかなり古い作品だが、ベタなラブストーリーなんかではなく、地方都市を舞台に一人の青年と女性の出会いと別れを、リアルな日常生活と共に淡々と描き出した秀作。特にドラマチックな展開がないのも、この手の作品としては自分としては好み。

タイトルは作品内にも登場する曲の一節だけど世界感によくマッチしてるし、韓国で満開に咲く桜も美しい。

ちょっとボケ始めてきた祖母、両親と共に暮らす田舎ならではの一軒家の雰囲気がいい。大きな庭にはキムチを漬けるための瓶が沢山並び、太陽がさんさんと当たる縁側がある家・・やっぱりいいなあ。

主演の若き日のユ・ジテは、本当にどこにでもいそうなイケメン過ぎない程度の好青年で味もあるし、輝くばかりに美しいイ・ヨンエは、あえて引いた画角で撮影しているのもバランスが取れていていい。

二人が出会う舞台となるカンヌン(江陵)は、ソチ冬季五輪の際に、リゾート地として有名であると知ったが、2001年頃は、まだまだ洗練されていない田舎町の佇まいを残しており作風にも合っている。

ホ・サンス監督がこの地をロケーションとして好んで選んでいるが、イメージがガラリと違う。次に韓国旅行する時は是非足を運んでみたい。

何故だか久しく口にしていない袋麺のインスタントラーメンを無性に食べたくなり、鑑賞後、すぐにスーパーに買いにいってしまった。
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