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殺人者たちのcatmanのレビュー・感想・評価

殺人者たち(1964年製作の映画)
5.0
1964年公開。ドン・シーゲル。OPのスリリングな曲に乗せて主演俳優の極太クレジット3連発。

LEE MARVIN !
ANGIE DICKINSON !
JOHN CASSAVETES !

これでもうぶち上がる。更にスタイリッシュなタイトルから続く物語の導入部にあたるシークエンスが完璧でマジでチビる。全く無駄も隙も無い。主人公の殺し屋二人が次から次へ出会う関係者の口を割らせようと脅しを掛ける際の暴力行使に全く躊躇も容赦も無いドン・シーゲルらしい乾いた演出が秀逸。当時テレビ映画として製作されたものの、暴力的過ぎるという理由から劇場公開になったらしいが然もありなん。
非情という二文字が似合う男、リー・マーヴィン。荒々しい凶暴性とクールな知性、渋味とユーモアを併せ持つ彼の魅力が本作でも炸裂していて最高。更にコンビを組む若い相棒役のクルー・ギャラガーが抜群にイイ味出していて、一つ一つのさり気ない仕草がキャラクター性とバックグラウンドを感じさせる素晴らしい役作り。いきなりウイスキーでうがいを始めるところなんかめちゃくちゃ痺れる。俳優の才能なのか監督のディレクションなのか、まぁその両方なんだろうけどホント痛快。
ロングショットとクローズアップのコンビネーション、印象的な独特の俯瞰ショットなど監督ならではの映像テイストも良い。音楽はジョン・ウイリアムス!蛇足だけどナンシーウィルソンがクラブのシンガー役で出演、ヘンリー・マンシーニのToo Little Time を歌ってます。美しい。

ラストは圧巻。全般的に回想パートが些か長過ぎてダレるとか、カサヴェテスとディッキンソンの安っぽいメロドラマが見てて辛いとか、スタジオ撮影やフロントプロジェクションの映像がショボいとかは瑣末な問題で、この圧倒的なラストで大満足。文句無し。
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